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テンプレートと解説

リスクアセスメントのやり方:手順・記入例・5×5マトリクス

危険性又は有害性の特定から、リスクの見積り、低減措置の検討、記録までを、現場でそのまま使える形にまとめました。厚生労働省の指針に沿った手順と、建設現場での記入例を紹介します。

5×5マトリクスを見る更新

リスクアセスメントとは何ですか?

リスクアセスメントとは、職場の危険性又は有害性を特定し、それによって起こり得るけがや病気の重篤度と発生する可能性の度合(リスク)を見積もり、優先度の高いものから低減措置を決めて実施する一連の手順です。労働安全衛生法第28条の2では、製造業や建設業など一定の業種の事業者に実施の努力義務が、第57条の3では、表示・通知の対象となる化学物質を扱う事業者に実施の義務が定められています。

5×5のリスクマトリクス

リスクの大きさは、可能性と重篤度を掛け合わせた数値です。各マスに数値とリスクレベルを示しています。

行:可能性(1 ほとんどない〜5 ほぼ確実)。列:重篤度(1 軽微〜5 死亡)。
可能性 / 重篤度1
軽微
2
軽傷
3
休業災害
4
重傷
5
死亡
5 ほぼ確実510152025
4 起こりやすい48121620
3 可能性がある3691215
2 まれにある246810
1 ほとんどない12345

リスクレベルごとの対応

レベル点数対応
低1〜4現在の対策で許容できます。対策を維持し、次回の見直しで確認します。
中5〜12低減が必要です。措置の内容、担当者、期限を決めて実施します。
高15〜25リスクを下げるまで、作業を始めない、または中止します。

この区分は、このページとSiteSurveyのテンプレートで使っているものです。法令で決められた区分ではありません。会社ごとに決めてかまいませんが、常に同じ尺度を使うことが大切です。

可能性の尺度

1ほとんどない
作業期間中に起きることはまず考えられない。
2まれにある
起こり得るが、めったにない。
3可能性がある
いつか起きてもおかしくない。
4起こりやすい
対策をしなければ、たびたび起きる。
5ほぼ確実
このままでは起きると考えられる。

重篤度の尺度

1軽微
手当ての必要がない程度のけが。
2軽傷
応急手当てで済むけが。
3休業災害
休業を伴うけがや病気。
4重傷
長期の休業や後遺障害が残るけが。
5死亡
死亡災害につながる。

リスクアセスメントのやり方(4つのステップ)

  1. 危険性又は有害性を特定するまず作業を洗い出し、作業ごとに「何が」「どのように」けがや病気につながるかを書き出します。ヒヤリ・ハットの報告、過去の災害事例、作業手順書、化学物質の安全データシート(SDS)が手がかりになります。
  2. リスクを見積もる特定した危険性又は有害性ごとに、けがや病気の重篤度と、発生する可能性の度合を評価します。このページでは、それぞれを1〜5で評価して掛け合わせます。指針では、マトリクスを用いる方法、数値化して加算又は乗算する方法、枝分かれ図を用いる方法などが示されています。
  3. 優先度を決め、低減措置を検討するリスクの高いものから優先度を決めます。措置は指針の優先順位に沿って検討します。①危険な作業の廃止・変更など、設計や計画の段階での除去・低減、②インターロックや局所排気装置などの工学的対策、③マニュアルの整備などの管理的対策、④個人用保護具の使用、の順です。保護具は最後の手段です。
  4. 措置を実施し、記録する決めた措置を実施し、実施後のリスク(残留リスク)を見積もり直します。指針では、洗い出した作業、特定した危険性又は有害性、見積もったリスク、設定した優先度、実施した措置の内容を記録するものとされています。

手順と措置の優先順位は危険性又は有害性等の調査等に関する指針(厚生労働省)によります。

記入例:建設現場の内装・設備工事

5つの作業について、対策前と対策後のリスクを見積もった例です。

作業危険性又は有害性対策前(可能性×重篤度)低減措置対策後
開口部付近での資材の搬入床の開口部からの墜落3×5=15 高開口部に手すりと覆いを設置し、立入禁止を表示する1×5=5 中
脚立での天井配線作業脚立からの墜落3×4=12 中手すり付きの可搬式作業台に変更する2×4=8 中
分電盤付近での配線作業感電2×5=10 中作業前に停電・検電し、ブレーカーに施錠と表示をする1×5=5 中
石膏ボードの運搬重量物の取扱いによる腰痛4×3=12 中台車を使い、長い距離は2人で運ぶ2×3=6 中
グラインダーでの切断破片の飛来による目のけが3×3=9 中保護カバーを点検し、保護メガネを着用する2×3=6 中

墜落や感電のように重篤度が下がらない危険は、可能性を下げる措置が中心になります。対策後も「中」のものは、引き続き管理します。

法令で求められていること

主な規定をまとめました。この要約は法令の条文や専門家の助言に代わるものではありません。

項目根拠内容
一般的な危険性・有害性労働安全衛生法 第28条の2
労働安全衛生法(e-Gov法令検索)
建設物、設備、原材料、作業行動などによる危険性又は有害性を調査し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるよう努めなければなりません(努力義務)。化学物質以外については、製造業その他の厚生労働省令で定める業種の事業者が対象です。
対象となる業種労働安全衛生規則 第24条の11第2項、施行令 第2条
労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)
製造業のほか、林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業・小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業などです。
実施する時期労働安全衛生規則 第24条の11第1項
労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)
建設物を設置・移転・変更・解体するとき、設備や原材料を新たに採用・変更するとき、作業方法や作業手順を新たに採用・変更するとき、そのほか危険性又は有害性に変化が生じ、又は生ずるおそれがあるときです。
方法と記録危険性又は有害性等の調査等に関する指針(平成18年3月10日公示、同年4月1日適用)
危険性又は有害性等の調査等に関する指針(厚生労働省)
特定、見積り、優先度の設定と措置の検討、措置の実施という手順と、措置の優先順位、記録する事項を定めています。労働災害が発生して過去の調査に問題があった場合や、前回から一定の期間が経過した場合にも、調査を行うものとされています。
化学物質労働安全衛生法 第57条の3、労働安全衛生規則 第34条の2の7・第34条の2の8
化学物質のリスクアセスメント義務化のリーフレット(厚生労働省)
表示・通知の対象となる化学物質(リスクアセスメント対象物)について、調査は義務です(平成28年6月1日施行)。結果は記録し、次のリスクアセスメントまで(3年以内に行った場合は3年間)保存して、作業者に周知しなければなりません。

2026年10月25日に、リンク先の公式の条文と資料で確認しました。

リスクアセスメントをスマートフォンで:SiteSurvey

SiteSurveyは、リスクアセスメントを現場で入力できるフォームにします。写真、自動計算、署名を一つの記録にまとめられます。お試しいただく前に、日本語への対応状況をご確認ください。

日本語でできること

  • フォームの質問、選択肢、説明文は日本語で作成できます。現場の担当者は、スマートフォンやブラウザから日本語で回答できます。
  • 計算フィールドで可能性と重篤度を掛け合わせ、危険ごとにリスクの大きさを表示できます。
  • 危険ごとの写真、署名、見直し日を一つの記録にまとめられます。アプリは電波のない場所でも入力でき、つながったときに同期します。

現在、英語のみ・未対応のこと

  • アプリと管理画面は英語のみです。メニュー、ボタン、通知は翻訳されていません。登録画面とサポートも英語です。
  • PDFレポートは、現在日本語の文字を表示できません。レポート用のフォントに日本語の文字が含まれていないためです。日本語で入力した内容は、アプリと管理画面では日本語のまま表示されます。
  • ライブラリのリスクアセスメントのテンプレートは英語で、英国の安全衛生庁(HSE)の手順に沿っています。登録時に読み込んで日本語に書き換えるか、一から作成してください。
  • AIフォームビルダーには日本語で指示を書けますが、日本語での動作はまだ十分に検証していません。

英語が読める方は、英語版のリスクアセスメント・テンプレートで全ての質問と入力例をご覧いただけます。

よくある質問

リスクアセスメントは義務ですか?

対象によって異なります。一般的な危険性又は有害性については、労働安全衛生法第28条の2により、製造業や建設業など一定の業種の事業者に努力義務があります。表示・通知の対象となる化学物質については、第57条の3により、業種や規模にかかわらず、扱う事業者に実施の義務があります。

リスクアセスメントはいつ実施すればよいですか?

労働安全衛生規則第24条の11では、建設物の設置・移転・変更・解体、設備や原材料の新規採用・変更、作業方法や作業手順の新規採用・変更のとき、そのほか危険性又は有害性に変化が生じるおそれがあるときに行うものとされています。指針では、労働災害が発生して過去の調査に問題があった場合や、前回から一定の期間が経過した場合にも行うものとされています。

KY活動(危険予知活動)とは何が違いますか?

KY活動は、作業の前に作業者同士で短時間、その日の危険と対策を話し合う日々の活動です。リスクアセスメントは、事業者が作業や設備ごとにリスクを見積もり、優先度をつけて対策を決める仕組みです。リスクアセスメントで決めた対策を、KY活動で毎日の作業に落とし込むと効果的です。

記録には何を残せばよいですか?

指針では、洗い出した作業、特定した危険性又は有害性、見積もったリスク、設定した優先度、実施した措置の内容を記録するものとされています。化学物質のリスクアセスメントは、労働安全衛生規則第34条の2の8により、記録を作成して次のリスクアセスメントまで(3年以内に行った場合は3年間)保存し、作業者に周知する必要があります。

見積りは加算法と乗算法のどちらがよいですか?

指針では、重篤度と可能性を数値化して加算又は乗算する方法のほか、マトリクスを用いる方法なども示されており、どれか一つに決められているわけではありません。大切なのは、社内で同じ尺度と同じ区分を使い続け、結果を比較できるようにすることです。

SiteSurveyは日本語に対応していますか?

一部のみです。アプリと管理画面は英語ですが、フォームの質問と回答は日本語で作成・入力できます。ただし、PDFレポートは現在日本語の文字を表示できないため、日本語のレポートが必要な場合は、ご利用前にこの点をご確認ください。

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